食物繊維がお腹の不調を招いていた?
- 中井エリカ
- 2018年5月23日
- 読了時間: 2分

「食物繊維はお腹に良い」ということは、誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。
とくにお腹の不調で悩んでいる方であれば、少しでも症状を改善しようと食物繊維を積極的にとっている方もいるでしょう。
食物繊維をとることの効果としては、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やし、腸内環境を整えたり、便通の促進などの作用があるといわれています。
ただし、これは「健康な人の場合」です。
これらの食物繊維の「良い効果」は、過敏性腸症候群の方にとっては逆に「症状を悪化させる」可能性があるのです。
過敏性腸症候群の人の腸の中は、過剰な発酵を起こしていることがわかっています。
そこへ食物繊維をとることによってさらに腸内の発酵を促すことになります。
それによって過剰なガスが発生し、お腹の張りや下痢、腹痛などをさらにひどくさせる原因になるのです。
ただ知っておいてほしいのは、すべての食物繊維が症状を悪化させるわけではないということです。
食物繊維はその性質によって「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」に分類されます。
不溶性食物繊維は穀類や豆類、ゴボウなどの野菜に多く含まれていて、
水溶性食物繊維は海藻をはじめ、フルーツ、野菜に多く含まれます。
注意したいのは「水溶性食物繊維」で、腸内細菌によって発酵させられる性質があるため、腸が異常な発酵を起こしている過敏性腸症候群の人は摂取を控える必要があります。
不溶性食物繊維はその作用がないため安心ですが、不溶性食物繊維が多いアスパラガスやゴボウ、大豆にはオリゴ糖が多く含まれ、高FODMAP食に分類されます。
食物繊維が含まれる食材すべてがNGというわけではないので、キャベツ、なす、にんじん、トマト、じゃがいも、バナナ、みかん、いちごなど、低FODMAPの野菜や果物はたくさんあります。
食べるものが偏らないようにいろいろな食材を食事にとりいれてくださいね。



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