お腹の弱い人は発酵食品に注意!
- 中井エリカ
- 2018年5月28日
- 読了時間: 3分

ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品はお腹の健康によい影響を与えてくれると言われていて、積極的にとっている方も多いのではないでしょうか。 ただ、過敏性腸症候群の人は逆に症状を悪化させる可能性があるので注意が必要なんです。 発酵食品が健康によいと言われる理由

ヨーグルトやキムチに含まれる乳酸菌や、納豆に含まれる納豆菌をとることで腸の環境がよくなります。
さらに水溶性食物繊維やオリゴ糖をとることで、腸内の乳酸菌がこれを利用して短鎖脂肪酸を作り出します。短鎖脂肪酸は腸内を酸性にして悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内細菌のバランスを良くしてくれると言われています。
それだけでなく、腸内細菌によってつくられた短鎖脂肪酸は、腸の粘膜を強くして免疫力を高め、感染症を防ぐなどの効果があるといわれています。
また、「腸内細菌が豊富な閉経後の女性は、乳がんの発症リスクが低い」といった報告もあります。
このように発酵食品をとって腸内環境を良くすることは、健康にとっていろいろなよい働きがあることがわかっています。
では、なぜ過敏性腸症候群の人は、このようによい働きをしてくれる発酵食品に注意しなくてはいけないのでしょうか?
お腹の調子が悪い人は腸内の代謝産物(短鎖脂肪酸)が多い

短鎖脂肪酸は体にとってよい影響を与えると書きましたが、過敏性腸症候群などお腹の調子の悪い人の腸の中では、短鎖脂肪酸を作る腸内細菌が多いことが分かっています。 短鎖脂肪酸は適度な量であれば体によい影響を与えてくれますが、過剰になってしまうと腸内が酸性に傾きすぎて腸の動きが麻痺し、ガスがたまりやすくなります。
そしてお腹の張りや、下痢、腹痛の原因になるのです。
実は発酵食品には高FODMAPが多い

そもそも発酵食品には高FODMAPの食品が多いのです。
例えばヨーグルト、チーズに含まれる乳糖も高FODMAPで、吸収されにくい糖質なのでお腹の調子が良くない人がとると、症状が悪化する原因になります。
また、納豆の原料である大豆はガラクトオリゴ糖を多く含むため高FODMAPの食品です。
キムチにはニンニクが入っていて、これも高FODMAPの食品です。
すべての発酵食品がNGなわけではない

とはいえ、すべての発酵食品がお腹の弱い人にとってNGなわけではありません。 たとえばチーズの中でもチェダーチーズやパルメザンチーズなど硬いチーズは、製造の過程で乳糖が吸収されやすい形に変わり、お腹の調子の悪い人にも適しています。
味噌や醤油なども問題ありません。
低FODMAP食でも食べられる食品はたくさんあり、いろいろな料理を楽しむことができます。 乳酸菌サプリもおすすめです
乳酸菌そのものは下痢や腹痛に有効といわれていて、過敏性腸症候群にも効果が期待できます。 ただ、乳酸菌を含む食品には乳糖が含まれている場合が多いので、乳酸菌(ビフィズス菌)サプリを活用するのもおすすめです。 その場合、オリゴ糖や乳糖を含んでいるものもあるので、成分表示をしっかりチェックして選びましょう。
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